気づいたら、涙が頬をつたった。
光輝の言葉が嬉しかった。
ああやって、私の気持ちを代弁してくれる人がいただけで嬉しかったよ。
でも、あのとき思い出したのはなんでか須賀君だったんだ。
私がなくしちゃったのは、ずっと私を信じてくれた人。
何今頃、傷ついてんの?
自分に笑っちゃうよ・・・。
ガシャンとフェンスを掴んで、広がる景色に目をやる。
飛び降りようにもフェンスは飛び降りられないように高く作られている。
そんなことする勇気もないけど。
「なに、落ち込んでんのよ」
よく通る高い声。初めてじゃないけど、誰の声かは分からなかった。

