「詩織、落ち着けって。本当にごめんな?」
結局、あんたも彼女が大事なんだね。
だったら浮気なんてしないでよ。
こんなこと私が言えることじゃないけど・・・。
「もう会ったりしませんから。ごめんなさい」
私は感情のこもってない声でそう言った。
「ふざけないでよ!謝ればいいってもんじゃないわよ!」
「詩織!もういいだろ!」
この男も男だよ。人に全部なすりつけて。
自分は悪くないって?何それ。
もう、めんどくさい。
ハアとため息を一つこぼしたときだった。
「行くぞ」
そうやって後ろから手を引かれたのは。

