「いや、その・・・」
「ちょっと尚!どういうこと!?」
この人の彼女と思われる人と遭遇しちゃったみたい。
ホテル街のラブホ入ればよかった・・・。
ここ普通に街中だもんね。てか、彼女いたんだ・・・。
「ねえ、アンタもなんか言いなさいよ!」
ヒステリックな女の声が私の耳を劈いた。
誘ってきたのはこいつだよ!って言いたいのに。
やっぱり私は良い子ちゃんになっちゃうんだ。
「人の男に手、出してんじゃないわよっ」
「おい、詩織!」
男が止めようとしてくれたときには、遅かった。
私は思いっきり頬に平手打ちを食らった。
今までで初めてだよ、こんなこと・・・。

