「さとーし」



「ん?」


ギターのチューニングをしていると、無気力な恭平の声が聞こえた。



「梢ちゃん、一番らしーよ?」


「・・・お前、やけに詳しいな」



「あれ言ってなかったっけ?俺の弟も北高の軽音部」


「まじかよ!兄弟で真逆の頭してんのな」



恭平は有名私立中学から編入してきたのに、弟はここらじゃ最低ランクの北高・・・。



「あいつは父親に反抗して北高入ってるだけで、頭は俺より良いよ」


「・・・そうかよ」



どいつもこいつも・・・なんでそんなすげーやつばっかなんだよ。


中学の時には感じてなかった劣等感。


俺ってつくづく中途半端なやつ。