「いつも校門でお前のこと待ち伏せして、お前に好き好き言ってたバカ高の女。卒業ライブに出るらしいけどな?」
「は・・・」
「まっとにかくMCの練習しっかりな。最後の最後にスベッて卒業とか勘弁しろよ」
それだけ言うと、恭平は呆然とする俺を置いて去っていった。
なんでだよ・・・。
あいつが卒業ライブに出るのが嬉しいとか思ってんだよ・・・。
綺麗事、か。
そうやって片付けることで、俺は誤魔化そうとしていた。
あいつが伝え続けたことに対して、俺はどんな態度とってた?
冷たくして、傷つけて、あいつの気持ち全てを否定してきた。
それでも笑うあいつを見るたびに、胸が苦しくてしかたなかった。

