「それより真人いないのがやべえよな?結局ボーカルどうするよ?」
真人は本来なら俺らのバンドのボーカル。
ところが、第一志望の国立大の二次試験を2月に控えているため、ライブには出られない。
「無理やりでもあいつなら来るだろ!?」
「いや、真人は我が校の期待の星だからな。飛び入りでもしてみろ、校長出てくんぞ」
さすが、学年一位の天才。
「つまり、誰かが真人の代わりやると・・・」
「は・・・俺ら全員ボーカル経験ないんだけど」
「一週間前に気づくかよ、普通。てか、聡・・・お前いつまで黙りこくってんだよ」
恭平に話を振られて、ハッとする。
俺・・・病気か?
「そういや・・・聡って一年とき歌ってたよな?」
は?

