そうだ・・・俺は、別にギターがめちゃくちゃ上手いわけでもない。
外見はそこそこ女ウケもいいし、頭だってそれなりにいい。
でも、何もない・・・。
俺には誇れるようなものなんて何一つないんだ・・・。
全部中途半端なんだよ、俺は。
「聡先輩の歌とギターが私を救ってくれたんです!あれがなかったら今の私はいない・・・先輩はすごいです!!」
その言葉を聴いた瞬俺は、彼女を観覧車の窓に押し付けていた。
「・・・先輩?」
「やめろよ、勝手に俺をお前のヒーローにすんな」
こいつに嫌われなきゃいけない。
もう中途半端は嫌なんだよ。

