「あれから・・・私もギターやってるんです!」


「へえ」


「聡先輩のおかげで、私・・・北高入ってよかったって思えたんです!だって、西高には軽音部なかったから」



そう言って恥ずかしそうにはにかむ彼女を直視できなかった・・・。



「最初は真剣にギターを弾く先輩が憧れだった・・・でも、いつの間にか先輩の隣に並んでみたいって思うようになって・・・全然ダメなんですけどね・・・わかってるんです、先輩と私が釣り合わないこと」


外見が特別可愛いわけでもない。

頭だって北高レベル。

ギターだってきっと下手くそなんだろう。



今まで俺が付き合ってきた女と全然違う。

直向に俺を想ってくれている・・・。

なんでだ・・・なんでこんなに心が揺さぶられるんだろう。



「俺はあんたが憧れているようなやつじゃない」




もうすぐ観覧車は頂上にたどり着く。