6 L O V E .




「あ・・・先輩?」


「なんだよ」


嬉しそうに耳あてに手をやりながら、俺のほうに顔を向ける。


幼いけど、たしかに女を感じさせる目に俺は戸惑った。



「・・・観覧車、一緒に乗ってくれませんか?」




「断る」



そんなカップルの代名詞みたいなもん乗れるかよ。




「お願いです!一生のお願いです・・・」



「嫌だ」



「どうしても?」


いや、待てよ。

こいつを突き放すなら、これが最後のチャンスかもしれない。

そうだ、俺はこいつに嫌われなきゃなんねえ。



「・・・しかたねえな」


そう言ったときのあいつの笑顔が今の俺には苦しかった。