先輩からの答えを聞く勇気もなかった。 あたしは玄関の扉の前でずるずると座り込んだ。 先輩、びっくりしただろうな・・・。 なんにしてももう言ってしまったものはしかたない。 なかったことに・・・なかったことに・・・ できない、ううん、したくない。それでいい。 その日、あたしは不安と安堵とに包まれながら長い長い夜を越した。