6 L O V E .




「じゃあ楽しんでね」


「おう、気をつけてな」


「すぐ隣だから!」


なんて笑いあって、あたしは聡の家を後にした。


玄関を出たそのときだった。

ぐいっと引かれた腕。


「きゃっ」



小さく悲鳴が漏れた。



「桜ちゃん、行かないでよ」




この声・・・



「巧、くん・・・?」




絶対そうだ。この香り、巧くんだ。

何度もこうして抱きしめられたことがあるからすぐわかった。