「まっとりあえず座れよ、お前ら」
「そうだぞ、主役、俺だからなー」
聡と先輩の声でみんな一斉にその話題から遠のいた。
でも、巧くんだけ・・・あたしのことをジッと見ていた。
・・・怖い。反射的にそう思ってしまう。
まだあたしのことが好きとか、ないよね?
散々・・・ふったのに・・・。
「ごはんできたから、あたし帰るね」
ちょうどキッチンに来た聡にそう言った。
「・・・ごめん、桜。巧のこと、無神経だったよな」
「聡が謝るなんて、気持ちわるっ」
「は、なんだよ!俺だって謝るぐらいできるし!」
こうやって聡と言いあいしてると、先輩のことも巧のことも少しだけ心の隅に追いやれる。

