「・・・大丈夫じゃねえかも」 ははと乾いた笑いをした先輩は壁に背を預けた。 あたしはそんな先輩にいてもたってもいられなくなった。 分かってる。 先輩がそばにいてほしいのは、あたしじゃない。 「桜ちゃん・・・」 気がつくと、あたしは先輩を抱きしめていた。 先輩のほうが背が大きいから抱きつくような形になってしまったのだけれど。 「泣いて、ください。胸くらい貸します」 あたしは本当にずるい。 下心丸出しの優しさ。 先輩、気づいて?あなたにあたしは魅かれています。