そのとき軽快に鳴ったのは、あたしの携帯。 この音は・・・電話だ。 「はい、」 「お、桜ー?」 この間延びした声は、あたしの幼馴染のものだ。 「なに?」 「お前、暗くない?久しぶりに幼馴染と電話してんのにさー」 「聡と話すことなんてないもん」 寂しさから来た八つ当たり。 ごめんね、聡。 「冷てえなあ。とりあえず、うち来いよ」 「なんで?」 この感じはどうせ何か手伝わされたりするんだ。 聡の両親は共働きで家を空けることが多い。