「ふう」 一息つけば、もう目の前は西高の校門。 ポツポツと帰りはじめた生徒が見える。 ここで、翠さんに会える保障なんてない。 だけど、信じて待つしかなかった。 校門近くの塀に背を預けて、翠さんを探す。 チラチラと視線が来るのは、場違いな制服のせいにした。 16時30分を回ったとき。 二人組のスラリと手足の長い女子生徒が見えた。 一人は、リカさん。 そして、もう一人は…翠さんだ。