6 L O V E .




「慎太郎くん」


長谷川さんの登場により、お開きになったあと、凛とした声が後ろからした。



「リカさん」




そっか。翠さんは、恭平さんと帰ったか。

可能性のなさすぎる恋に、自分の気持ちに嫌気がさす。



「駅まで一緒に帰ろう?」

「あ、うん」




俺は切なさを隠しきれずにいたのかもしれない。


「慎太郎くん、翠のこと気に入ってるんでしょ」


まんまとリカさんに言い当てられる始末。

俺の少し前方を歩いていたリカさんは、クルッと後ろを振り向いた。



その表情は、なんとも言えない感じだった。
ちょっと寂しそうな、でも凛とした瞳。
なぜか、胸が痛んだ。



「気づいて、たんすか」