「それは、」


 「呼んで、はやく」




 いつもより意志の強い視線を感じた。
 
 あたしは顔を真っ赤にしながら、必死で応えた。




 「と、俊信さん・・・」



 恥ずかしくて目をぎゅっと瞑った。
 そのときには、すでに温かい腕の中に包まれていた。



 「もっかい言って」




 それが「好き」なのか、名前なのか分からなくてあたしは・・・



 「俊信さん、すき・・・」


 と言って、唇を噛んだ。