「きゃーっ!有明先生、ウチが手伝ってあげるゥ~!!」

「一人で持てるから大丈夫ですよ、有馬さん」



教室前の廊下で相変わらず有馬が有明先生にベッタリくっついている。

その様子を口之津が少し離れたところにしゃがみこみ、精一杯不機嫌なオーラを出しながら睨みつけていた。


「口之津先生・・・、今日ずっとそこにいません?」


不機嫌オーラを見かねた瑞穂は口之津の隣にしゃがみこむ。



「晴、いい知らせがあるんだが」

「何ですか?」

「昨日よ、俺と祥子、付き合うことになったんだわ」

「・・・・・・・・・っていう夢ですか?」


口之津は前を見たまま思いっきり瑞穂の後頭部を叩く。


「アイタッ!」

「馬鹿にしてんのかテメー!」

「えー・・・だってありえないし・・・展開早くないですかね・・・?」

「事実なんだから仕方ねーだろ!!」


それでもイマイチ信じられずに瑞穂も有馬の様子を見る。




「そのはずだったんだけどよぉ~・・・
俺ら本当に付き合ってんだよな?」

「だから夢なんじゃ」

バシッ

「アイタッ!!」


「・・・・・・」


やはり信じられないがこのままでは頭の形が変わってしまうので話を合わせる。


「まあ、その、おめでとうございます」

「おう。それでよ、アレどう思う?」


口之津の視線の先には有馬と有明先生。


「・・・・・・」

「俺ら本当に付き合ってんだよな・・・?」


(知らないよ・・・・・・)