戸惑う有明をよそに顔を真っ赤にして有明を押さえつけたままの瑞穂は目をぐるぐるさせて考え込む。

そして何か思いついたらしくおもむろに有明の目を手でふさいだ。

「・・・・・・」

当然邪魔になる眼鏡。・・・指紋だらけだ。

瑞穂はそ~っと眼鏡を外してテーブルに置き、もう一度手で目を隠す。



視界を奪われた有明の唇に




チュッ



と小さく音を立てて柔らかいものが触れた。



「・・・・・・! っみず・・・」

「っきゃああーーーっ!!」


手が離れたと思うと叫びもだえながらうずくまる瑞穂。
耳が真っ赤だ。


「瑞穂さん、今・・・」


「ははは、見ちゃった」



「!!」

「えっ?!加津佐!!」


なぜかリビングの入り口で恥ずかしそうに立ち尽くす加津佐。

「うぇえええ?!加津佐さんなんでうあぎゃあああああ!!」

「はははー。玄関の鍵開いてたよぉー」

「いぎゃああああああ!!!」

「晴ちゃんダイターン。意外な一面見ちゃったよ」

「うわあああああ加津佐さんを殺して私も死ぬぅううう!!!」

「お前来るなっつっただろーが!」

「あ、ほんとだ。メール気付かなかった」



何とも悪いタイミングのせいでカオスと化したこの状況に有明は瑞穂からのキスの余韻に浸る暇もなく、パニックで暴れる瑞穂を必死でなだめ続けた。










(このあと加津佐は当然、有明先生にボコボコにされてました)