「おはようございます、有明先生。
ちょっとよろしいかしら」

「おはようございます、愛野先生。
どうされましたか?」


何事もなかったように穏やかな次の日、有明は職員室に入ってすぐに愛野先生に呼び止められた。


「今日夕方はお時間あります?」

「ええ、大丈夫ですよ」


二人が話す隣ではもくもくと小浜と口之津が仕事をしている。
口之津は一段とおとなしく、真面目だ。



「今日夕方、私用がありまして早退しなきゃいけないの。
それで、図書部と図書室の管理をお願いしたくて」

「よろしいですよ。
詳しく仕事内容を教えていただければ」





相変わらず快晴な空。


体育祭がひと段落し、またいつもと変わらない一日が始まった。