有明先生と瑞穂さん

「ううっ・・・ぐすっ・・・」


緊張の糸が切れたのか、深江の隣にいた女子生徒が泣き出してしまった。

口之津はそれでもまだ怒りが収まらないようだが、有馬は有明の顔を見るとバツが悪そうに目をそらした。




体育祭は終わったというのにまだジリジリと焼け付くような太陽が皮膚を刺す。

――眩暈がしそうだ・・・。




有馬の動きが止まったことを確認すると布津はそっと手を離した。

それでも口之津はまだ瑞穂におさえられたまま息を荒くしていた。


涙ぐんでいた深江ははっとして泣きだす女子をなだめた。


「ごめんね、こんなことに巻き込んじゃって。
えっと・・・千々石さんだっけ。
もう戻っていいから・・・
本当にごめんね」


深江に優しくそう言われると、千々石と呼ばれた女子は涙をぬぐって頷き、走って行ってしまった。



「何があったんですか?
説明してもらえますか、口之津先生」


有明が冷静に聞くと口之津は更に不機嫌そうな顔をして睨みつける。

しかしそれに臆することなく口之津と瑞穂を少し乱暴に引き剥がした。


こんな時でも瑞穂が他の男と密着しているのは気分が悪い。