何もかもうまくいかない今の現状から、今まで心の奥底に眠っていた不満やジレンマが沸々と湧き上がるのを感じた。



「有明先輩が教師になってるなんて思わなくて私――」


ぎゅっと手に力が入る。

気付けば奥歯を噛みしめていた。




「――だから、私達がこうやってまた会えたのも、運命のような気がして・・・」




『運命』――・・・?





「じゃあ都合のいい偶然が重なりもしない場合――

その『運命』なんてものがないのなら


どんなに好きでも結ばれることはない・・・?」





小浜の表情が一瞬にして変わる。


それを見て初めてはっとした。