夜、有明の部屋にはいつものように加津佐がゆっくりくつろいでいた。



「有明ぇー、いい加減晴ちゃんと連絡取れたあ?」

「・・・・・・」


『いい加減』なんてこっちが聞きたい。

取りたいけれどあれ以来、拒否されてしまうのが怖くて行動を起こせないでいる。

同級生で同じクラスの布津が羨ましい。
学校でしか会う機会なんてないのに話し掛けることすら満足にできないのだ。


「・・・取れないのね」


無言の返答に加津佐が苦笑した。



「何だ加津佐、そんなに俺をイラつかせたいの?」

「ちょちょちょ!そ、そんなんじゃないってぇー!!
お前自分からちょっとでも動いてる?!
メールとか電話は?!」

「・・・最近はしてない」

「まーたカッコつけてぇー。
そんなことしてたら取り逃しちゃうぞ」



カッコつけているわけではない。
どう動けばいいのかわからないのだ。