有明先生と瑞穂さん

浴衣を着て気持ちばかりは「少し大人っぽく見えるかな?」なんて思ってるくせに、

射的でそんなに魅力的とも思えない景品にムキになってみたり

祭りが終わったら使う予定なんてないのにヨーヨーやお面を買ったり

普段そんなに興味ないくせに金魚や小亀を欲しがっては「飼えないから」と諦めた。


全てが日常と違ってみえる。


―――みんなも同じ気持ちだろうか





「アイタタタ・・・」

「どうした瑞穂」

「下駄・・・
履き慣れないから足が痛くて」

「大丈夫か?」


布津が一緒に立ち止まってくれる。


「有馬さん達見失っちゃうよ」

「大丈夫だって。後で合流すればいいから。
ちょっとどこかに座ろう」


そう言うとあたりを見渡して、端の方へ誘導してくれる。


「慣れないモン履くからだよ」

「ゴメン・・・」

「来年のために明日から毎日下駄履けよ!」

「やだよ!」


足を見ると指のところが靴擦れして少しだけ血が滲んでいた。

元々古かった下駄の紐が擦れて切れかけていたのが原因らしい。