有明先生と瑞穂さん

夜空が再び闇に包まれた時、立ち止った人々はまた歩き出した。


まだにはが花火の振動が残っているのに、ゆっくり余韻を楽しむことはしない。


その中で瑞穂は立ち尽くしていた。



「綺麗だったね」

「すごかったなー」

口々に顔を見合わせてうっとりと溜息をつく。



「うちらもそろそろ行こうか。
出店ゆっくりまわりたいし」

「さっきよりは買いやすいかもな」

「あっ、私射的やりたーい」

「子供かよ深江は」

「何よーいいじゃなーい」


食べ散らかしたゴミをかき集めて歩き出す。

人々の足は意外にも、来た時より早くて流されやすい。

有馬はまた深江と手を繋ぎ
「はぐれないようにね」
と声をかけた。


「瑞穂、手繋ぐ?」

「だからいいって」


花火が終わってしまったことは少しだけ寂しかったが、みんながまだ遊ぶ気だとわかって少しほっとした。