有明先生と瑞穂さん

「アホ面で何ボーっとしてんだよ」

隣の布津がゲラゲラ笑う。


「晴ちゃん、早く携帯出さないと撮りそこなっちゃうよ!」



言われて慌てて巾着の中に手を突っ込むが、少し考えて結局何も取り出さずに巾着を縛る。



「撮らないの?」

「・・・うん。私はいいや」

「何でー?!超綺麗だよ!!」


携帯を空に構えて笑うみんなの顔が、花火が上がるたびにカラフルに映る。



「・・・だって忙しいんだもん」



その声は花火が打ちあがる音と共にかき消されてしまった。



「え?聞こえない!!」

「いーのいーの!」


手を振って笑ってごまかす。
口にするのは、少し恥ずかしい。



(とめどない花火も、
みんなの顔も・・・

全部見ていたいから忙しくて写真なんて撮ってられないんだもん)


そんなこと言ったら『サムい』なんて笑われそうだ。



瑞穂はその目に儚いそれを焼き付ける。


打ちあがるひとつひとつの花火に密かな願いを込めて




ずっと皆でいれますように。







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