有明先生と瑞穂さん

「えっと・・・
あ、そうだ。
有明先生って教えるのうまいですよね」


我ながらとっさに出たとはいえ苦しい流れ。


「先生だから下手だったら困るじゃん。何言ってんの?」


すかさず冷めた目で加津佐が言う。


「うっ・・・そうですけど」

「でも高校の時から教えるのうまかったと思わない?
タケルが理解できるようになるくらいなんだから」

「なんかさっきから俺すげー馬鹿みたいじゃん!」


その様子を見て、初めて有明先生が声を出して笑った。


「!」

3人の動きが一瞬止まり、有明先生を見る。


「どしたの有明~、急に上機嫌になっちゃって」

「んー・・・いや、うん」


説明もなく自己解決したような返事。

わけがわからなかった。

それでも有明先生はすっきりした顔をしていた。





「俺、何で教師になりたかったのか思い出した気がする」





窓の外を見てぽつりとそう言った。


(珍しい・・・)


そう思ったのは瑞穂だけではなかったらしい。

見れば国見と加津佐も少し驚いた顔をしている。