国見と駐車場に向かうと、有明先生と加津佐は車に荷物を積んでいる最中だった。



「おはよう瑞穂さん」

「晴ちゃんおはよ！」


「おはようごうざいます！」



「よろしくお願いします」と挨拶をして荷物を積ませてもらい、車に乗り込む。

運転手は車の持ち主の有明先生。
その隣に加津佐。
後部座席は、運転席側に瑞穂が座り、助手席側に国見が座った。

運転免許を持つのは有明先生と国見だけ。

道中キツくなったら交代する予定だ。

基本的に瑞穂は旅館の準備から運転も何もできなかったのでせめて迷惑はかけまいと気が張る。

それに気づいてか、加津佐が

「そんなに緊張してると車酔いおこすよ」

なんて気を遣ってくれた。


「こいつらに緊張や遠慮なんてするだけ無駄だよ」

とルームミラーごしに有明先生が笑いかけた。



（あれ･･･？
なんか先生、ちょっとやつれてる？）


まわりがテンションが高いから、そう感じるだけだろうか･･･。




やがて車は高速に乗り、知らない道へと走り出した。



少しの不安と緊張を織り交ぜて、それでも期待は大きく


瑞穂の初めての旅行は始まった。