有明先生と瑞穂さん

頬の火照りを抑えるためにジュースを喉に流し込んだ。

窓から見える外の景色太陽がコンクリートを容赦なく照らして暑そうだ。



「瑞穂が食うから足りない。
追加注文していい?」

「えー、私一口しか食べてないんだけど。
外で何か買って食べれば?」

「おぅ、それいいな。
じゃあ出るか」


クーラーの効いた店から一歩出るだけで汗が吹き出そうだ。

そういえばまだどこに行くとも決めていない。
でもアテもなくただ歩くのは少ししんどい。

どうしようか。



「つーか瑞穂は有明とデートしたんだろ?
じゃあ初めてじゃねーじゃん。
その時はどうしたんだよ」


「ぅえ・・・?!
アンタさっき人のことは聞きたくないとかなんとか」


「いやコレは聞きたいね!」


なぜ腹を立てるのか。




「・・・別にデートっていうデートじゃないよ。
買い物に付き合っただけ」


「買い物・・・?」


「うん、メガネ。
ちょっと事故で私が壊しちゃってさー。
弁償しなくていいから、買いに行くのに付き合ってって」


「・・・・・・おお・・・何でかムカムカしてきた」


「アンタ今聞きたいっつったでしょーが!!」


思わず膝カックンをくらわせた。





「そう言えば有馬が『先生の眼鏡が変わってた』って喜んでたなー」

「うう・・・有馬さんの話はしないで。
恐ろしいから」

「ああ・・・バレたらヤバイな」


二人して遠い目をしていた。