『先生って夏休みあっていいよね~』


なーんてどこかの勘違い生徒がポロッと言った言葉がにくい。



ジワジワとセミがうるさいグラウンドを睨みつけながら教科書やプリント類の山に埋もれて有明は不機嫌に仕事をこなしていた。


夏休み前は大変だった。

テスト作成に宿題作成。
それに加えて夏休みについての注意事項などの資料作成まで押し付けられた。


これで少しは楽になる――なんて思っていたが甘かった。



(クソッ、ペーペーだからって何でも押し付けやがって)


今日はブラック有明である。



今有明の目の前にあるのは、夏休みの補習向けのプリント作成や検定向けの資料作成などなど。

そして旅行に向けてなるべく早く終わらせなければいけないので余計に忙しい。


(夏休み明けは宿題の回収に中間試験か・・・)


全てを投げ出したい気分をコーヒーと一緒に飲み込んだ。