有明先生と瑞穂さん

「脅してるつもり?」


短く言い放った声があまりにも冷たくて思わず顔を上げると、先程とは全く違う表情をした有明が布津を見下ろしていた。


とうとう化けの皮剥がれやがった・・・

そう思うと布津の背筋に緊張感が走る。



「そんなつもりはねえよ。
フェアに行こうっつったじゃん」


そう言うと、布津の緊張をよそに有明はニッコリと笑った。


「そう。写真でも撮られて脅されるのかと思った」

さっきの冷たい眼差しはもうない。

「それでも俺は普段の行いがいいから『偶然道端で会っただけ』って言えば信じてもらえるんだろうけど」


優しい笑顔とは裏腹に言うその言葉に、本来敵にまわすべき相手ではないと布津は悟った。


(『俺』ねぇ・・・)


布津はゴクリと唾を飲んだ。