有明先生と瑞穂さん

「僕が、瑞穂さんを?」

ハハッと笑いながら首をかしげる。

嘘は得意だ。
分厚い仮面をかぶっているから表情にも出ない。

裏表が激しいなんてよく加津佐からは言われるけど、場や相手によって最善の行動を取るのは当たり前のことだ。



だけど―――・・・





「フェアに行こうよ、先生」




――学生の頃、あまり仲がいいわけではない友人と話していたら言われたことがあったな。

『オマエは目が笑ってない』

なんて。




真っ直ぐ見る目。
なんてことはない。
別に心が揺らぐわけではないけれど・・・


やはりこういうところは友人だからか。



(瑞穂さんと少し似てるな)



その眼差しは。






言っても駄目なら、と布津は諦めたようにため息をついて口を開いた。



「何も俺は根拠もなく言ってるわけじゃないよ」



布津の視線が近距離で、直接突き刺さるたびにガラガラと何かが崩れる。


いや、崩れているわけではない。


崩しているんだ、きっと自分で。



「俺、先生と瑞穂が一緒にいるとこ見たよ」