有明先生と瑞穂さん

「私は順番が違うでしょって言いたいんだけど」

「え、じゅ、順番って」

「だ、だから・・・」


(ああ・・・なんかもう、何言っても今は理解できない気がする)


「そういうのは普通、付き合ってからとか、さぁ・・・」


言いかけて一瞬よぎったあの夜のこと――



「瑞穂キス初めて?」


見透かされたのかと、一瞬ドキリと心臓が鳴る。


「え、あの」

「つか今まで彼氏いなかったんだからないのが当たり前か」


「うっ」


なぜか妙にぐさりと痛い。


鮮明に思い出すのは有明先生とのあの夜のこと。


忘れるわけがない、あの唇の感触――。



「瑞穂・・・・・・」


急に切なげな声を出して布津の両手が瑞穂の頬を覆った。



(えっ・・・ど、どうしよう・・・)


ぐる ぐる ぐる ぐる


フラッシュバックするあの時の先生の顔

目の前の布津の顔




―――今目の前にいるのはどっちだっけ



緊張のあまり視界が揺らいだ気がした。