有明先生と瑞穂さん

「大丈夫だってー。実際そんな打ってないから」

「頭打ったんだぞ?!病院行くべきだって!俺が誰かわかるか?!」

「はいはい、布津布津。痛いだけだから平気なのに」


ブツブツ言いながら布津につきそわれて保健室へ向かう。


「このまま家帰った方がマシなのにー・・・」

「馬鹿言え!一人で帰る途中に倒れたらどうする!
ほらもう乗れ!おぶってやるから!」


布津は瑞穂の前に背中を向けてしゃがむ。


「バッカじゃん!!
そんなこと恥ずかしくてできるわけないでしょ!」

「うげ!」


背中を足で踏んづけた。



「せんせぇーーー!瑞穂が頭を強打しました!!しかも二回!」


ギャーギャーと大げさに騒ぎながら布津が保健室に突入し、後からゆっくりため息をつきながら瑞穂が入る。

保健医が「あらあらどうしたのー?」と言いながら出迎えた。


布津の日本語になってない説明を遮るために口にこぶしを突っ込み瑞穂は冷静に事情を説明した。