有明先生と瑞穂さん

慌てて瑞穂が体を起こすと乱暴に肩を押されてまたベッドに突っ伏す。

先生はそのまま倒れた瑞穂におおいかぶさるようにベッドに乗った。


この寝室の明かりは枕元の小さな薄暗いスタンドだけ。


こんなに近くにいるのに先生の顔が暗くて見えない。



それが余計に怖く感じた。




いろんなことが今までと違いすぎて、今目の前にいるのが本当に有明先生なのかと疑う程だ。





先生はそっと手で頬を撫でたあとに瑞穂の唇をなぞった。


大きい手・・・なのに指先が冷たい。


あの時繋いだ手と同じだとは思えない。



涙が出そうになる。

目をそらしたくなる。

今にも震えそう。


それを全て下唇を噛んで全身を強張らせて食い止めた。




怯えているところを見せてはいけない―――。



なんとなくそんな気がしたから。