有明先生と瑞穂さん

「愛野先生ー、有明先生知りませんか?」

他の部員がひょっこり棚の後ろから顔を出して聞いた。

瑞穂は『有明先生』と聞いて一瞬ドキリとする。


「どうしたの?」


「ノート提出しなきゃいけなかったんですけど忘れちゃってて。今出そうと思ったらどこにもいないみたいなんですー。
職員室の机は・・・なんかもう帰ったみたいに綺麗だったからどうしたのかなーって」


「ああ、そうだったわね。
有明先生はどうしても具合が優れないらしくて、午後の授業が終ってからすぐに帰られたみたいよ」

「えー!そうなんですかぁ?!」



(え?!)


有明先生の具合が悪い――


ドキリと嫌な予感がする。


大丈夫なのだろうか。


「じゃあノートは月曜かあ」

生徒はぶつぶつ言いながら棚の裏へと戻っていく。


「夏風邪かしらね。瑞穂さんも気をつけて」

「あ・・・はい・・・」




―――不安だ。