有明先生と瑞穂さん

結局話はまとまらずに3人でうんうん唸って時間切れ。
そのまま教室へ戻った。

やがて昼休みになりいつものように布津と深江が教室を離れ、有馬と瑞穂が机をくっつけた。


「今日親が寝坊しちゃってさー、買い弁なんだー」

「・・・・・」

何気ない会話をする有馬だが瑞穂には先程の休み時間のことが頭から離れない。


(私はいつもどんな感じで喋ってたっけ)

自然に、いつも通りにと思えば思うほどぎこちなくなる。


「・・・晴子?」


有馬は瑞穂の変化にすぐに気づいた。

「どうしたの?まだ落ち込んでる?布津なら大丈夫だって」

「あ…ははは、大丈夫大丈夫!」


どうみても空元気だ。

布津のことで悩んでると思っている有馬はまさか瑞穂が最悪の勘違いをしているとは予想もつかずにその場を流した。

今は布津をどうするかで頭がいっぱいなのもあった。



(また、友達に裏切られるのは怖いな…)

幼い頃の恐怖が臆病な瑞穂にまた、じわりじわりと湧き出てくる。