有明先生と瑞穂さん

「えぇ?!瑞穂そんな風に思っちゃってるの?」

有馬から事情を聞いて布津は大声を上げた。

「声大きいー」


「どうしよう!
あぁっ、そうだ!!
俺今から瑞穂にそうじゃないって言ってくる!」

青ざめながら走り出す布津の足を有馬が払いのけて転ばせる。

当然布津は顔面を床に強打した。

「ありま…いたひ…」

鼻血が出なかったのは幸いだ。


「何て説明するつもりなの?
『瑞穂のこと嫌ったわけじゃないよ』って?!
じゃあ『何で無視したの』って聞かれたら何て答えるの?」

「『瑞穂が俺を意識させる為の演技でした』って効果もないのにバラしちゃう~?
晴ちゃん怒っちゃって余計悪化しない?」

「・・・・」

二人からまくし立てるように言われ、布津は黙り込む。
しかし頭は少し冷静になった。

「…じゃあどうしたらいいんだよ。
作戦考えたの深江じゃんか」


「結はもっとうまくやれって言いたいのー。
布津君不器用だとは思ってたけどヘタクソすぎ!」

「…露骨なのよねぇー」

「・・・・」

三人同時に重いため息をついた。