「あっ、今国語教師が辞書なくすなって思ったでしょ」

「あーイエ、というか・・・はい。」

「違うんだ、確か生徒に貸したと思うんだけどそれから返ってきてないんですよ。多分」


多分かよ・・・。

「じゃあコレ返しときますんで」

「ごめんね。お願いします」



口調もそぶりもとても真面目なのだがどこか作り物のような彼を瑞穂はあまり信用していない。


まあ教師なんて特に信用したりするものでもないが・・・。


瑞穂の中では教師なんてひとまとめでそんなものだった。