有明先生と瑞穂さん

次の日の朝――



この日は朝練があった布津は早朝から一汗かいて、いつもならテンション上がりまくりのはずなのだが・・・今日は低い。



「おはよー布津君・・・ってどうしたの?!」


明るいだけが売りの布津のテンションの低さに深江は驚く。

「あー、深江・・・オハヨ・・・」

「ちょっとぉーなになに?!
そんなんじゃ今日も作戦実行できないぞ?」

「あー・・・」


空返事をして布津はじわっと涙ぐむ。


「うわぁ!な、何泣いてんの?!
ちょっと本当に大丈夫?!
何があったの?!」



「おはよー。昨日は迷惑かけてごめんねー」


そんな中、瑞穂が教室へ入ってきた。


「晴ちゃんおはよー」

「・・・・・・っ」


布津は青ざめたままうつむいてしまった。


「いや~朝っぱらから熱いねぇラブラブだねぇー。
焼けちゃう焼けちゃう。
まいったねー」

(オバサンか!)


深江は思わず心の中でツッこむ。

時代を感じるような適当な冷やかしをして瑞穂は自分の机へと向かった。



「・・・昨日晴ちゃんと何かあったの?」


恐る恐る布津に問うと、布津の体はビクッと跳ねた。