有明先生と瑞穂さん

有明先生は黙りこんで少し考え、また口を開く。


「…キスしちゃってもよかったの?」

「え…」

「そんな流されてしちゃって後悔しない?」


言われてはじめて冷静になる。

(そんなの全然考えてなかった…)


もしこのまま先生とキスしてしまって瑞穂は後からどう思うんだろうか。

今は緊張や恥ずかしさやわけのわからない感情が入り混じって何も考えられないけど

冷静になったときにどう思うんだろうか。


自分は先生のことを

すき?
きらい?

そんなのもわからないのに。



「…瑞穂さんはよくても俺はやだよ」



「君が俺を好きじゃないキスなんて満たされないよ」



ああ
なんて甘い言葉だろう。


自分は特別何かをできるわけでもない
美人でもない

なのにまるでお姫様のような扱いじゃないか。


人から恋をされるということはこういうことなのか。