「今日はもう資料作りどころじゃないからこのまま帰っていいよ。
俺も後片付けと自分の仕事したら帰るから」


そう言って有明は戻っていった。

瑞穂は鞄を教室に置きっぱなしだったことを思い出して取りに行く。

有馬の鞄もないが、怒って帰ったのだろう。


(今思えば誰も通らなくてよかった・・・)


いくら放課後とはいえ学校の廊下であんなことになるなんて。

ラッキーだったとしか思えない。

もしこれが誰かに見られてたらどうなるんだろう。


もう普通の生活じゃいられないのかな?

それより先生はこの学校にはいられなくなってしまう・・・。


どっと疲れが出て瑞穂は椅子に座った。


外では野球部の掛け声が聞こえる。


「・・・やっぱり少しくらい仕事して帰ろう」