有明先生と瑞穂さん

少し間を置いてゆっくり力が緩められ開放される。

それでもまだ逃げられると思っているのか手をしっかり握られた。


振り向くと彼はこわばった顔をしていた。


（何をそんなにおびえてるんだろう）



「あの･･･ごめんなさい、私びっくりして逃げちゃって」


「俺と有馬さんはそういう関係じゃないから！」


有明がまた強く言う。


「･･･へ？」


（な、何？そういう関係？）

瑞穂は少し考えてハッと気づく。

（先生、勘違いしてる！）


「ああ、あの先生･･･」

言いかけると遮るように言葉を続けた。

「俺は軽い気持ちで君を好きなわけじゃない。
女子高生なら誰でもいいとか、そういうこともない。
今まで他の生徒とそういうことなんてなったことも考えたこともないし、


瑞穂さんのことしか考えてないから！」


「･･････！」


まっすぐ目を見つめられ、いつもと違う有明に言われた激しい愛の言葉。


（わ、私に言ってるんだよね？！）

まるでドラマのような自分の置かれた状況に耳まで赤くなる。