「は、はな、離してくだ…」
「ダメ」
息を整えながらはっきりと断られる。
耳元で聞く声は全身をしびれさせた。
呂律がまわらない。
身をよじらせて逃れようとすると痛い程に抱きしめられた。
「ほ、ほんとに、お、おねが…」
「だって逃げるから!!」
いつもの彼からは想像できないほど強く言われる。
その言葉から切羽詰っているのがわかる。
瑞穂はとりあえず自分を落ち着かせるために三回ゆっくり呼吸をした。
まだ言葉も手も震えて顔も熱いが、視界がクリアになったような気がする。
瑞穂は今度はそっと腕に手を添えて
「逃げませんから、一度離してください」
と小さな声でゆっくり言った。
「ダメ」
息を整えながらはっきりと断られる。
耳元で聞く声は全身をしびれさせた。
呂律がまわらない。
身をよじらせて逃れようとすると痛い程に抱きしめられた。
「ほ、ほんとに、お、おねが…」
「だって逃げるから!!」
いつもの彼からは想像できないほど強く言われる。
その言葉から切羽詰っているのがわかる。
瑞穂はとりあえず自分を落ち着かせるために三回ゆっくり呼吸をした。
まだ言葉も手も震えて顔も熱いが、視界がクリアになったような気がする。
瑞穂は今度はそっと腕に手を添えて
「逃げませんから、一度離してください」
と小さな声でゆっくり言った。
