有明先生と瑞穂さん

瑞穂は一瞬何が起こったかわからなかった。
だが体の自由が効かない。


体にガッチリと腕がまわされ、頬に髪がふれくすぐったい。
後ろで荒い息が聞こえ肩が上下しているのがわかる。


ああ、抱きしめられたのだとわかるとふわっと先生の匂いがした。


(え?!なんで?!うわぁあああ!!)

瑞穂の顔はみるみるうちに赤くなる。

心臓が異常な音をたててる。



離れようともがくと、より強く抱きしめられた。


ブルブルと震える手で有明の手を引き剥がそうとするがよほど力が強いのか、自分の手に力が入らないのかびくともしない。