有明先生と瑞穂さん

「今日の資料はこれだけですね。二人で終わるかわかりませんができるところまでやりましょう」


「ウチらはじめての…共同作業ですね…なんちて!!!キャ!!」

「は、ははは…」


ずっとこのテンションである。


有明先生は、いくら狭い資料室だからといってここまで密着する必要があるだろうか…と考えていた。


有馬は、チャンス!今日こそは絶対オトす!!と考えていた。


有明先生がページをそろえ、有馬がホチキスでとめていく。



「あのォ~有明せんせぇ~」


いつも以上に働かない。

(これじゃ今日は半分も終わらない…)

思わず、有明先生の口からは重いため息が出た。


「先生って彼女とかいるんですかぁ~?」


何度も聞かれた質問だ。

この危険な状況下、「彼女はいる」と言ってしまった方が安全なのだが今まで「いない」と言い続けてきたのでそれはできない。


「いないよ。…でも、保留中かな」