「何でも聞いてくれるの?」


瑞穂の手を抑えつけていた有明の手が、今度は優しく指を絡める。

顔を近づけて言うその表情がエロい。


「え・・・な、何でもって・・・」


瑞穂はハッとした。


そして再び客観的に今の状態に気付き、心臓がドコーン!という音を立てて鳴った。



(はぁーーーっ!!!
ま、まままま、まさか先生変な要求してくるんじゃ・・・!)


とってもスケベで最悪なことしか瑞穂の頭を巡らないが、それでも仕方ないほどに今の押し倒された状況と有明の顔がエロい。



(まっ、ままま、まさか・・・

卒業まで待つとか言っておきながらやっぱりヤらせろとか・・・

いやむしろここでヤらせろとかそういうことを


ギャァアーーーー!!!)


考えながら顔を真っ赤にさせた。


さすがにそれだけは、そんな『お願い』なんかで易々とOKしてしまってはいけないと瑞穂は体をバタつかせた。


「いいいいいいややっぱりお願いとかそういうのはおかしいと思うんですよねだって私そんな悪くな」

「そうだな~」


有明はそんな瑞穂の変化に気づくことなく瑞穂の手を引き体を起こした。


「ひょあ!!」


起こされたはずなのに、有明がしっかりと支えてさっきよりも距離が近い。

瑞穂の心臓はバクバクバクバク音を立てて、きっと胸からそのまま有明の胸へと伝わっている。




――有明が好きだ。


だからこそ、こんなことはいけないとわかっていても、切なげな表情で頼まれてしまえば断れないかもしれない・・・。


至近距離で逃げることのできない視線を、瑞穂はあちこちに目を泳がせて逃げる。


「いいいいいいやあの」


「そうだな、瑞穂さん。
俺からのお願い・・・。





俺のこと―――



名前で呼んで・・・?」



「だだだだ駄目ですやっぱりそんなこと――――!!!!






・・・・・・・・・って、え・・・?」