有明先生と瑞穂さん

「ていうか布津君、部活はいいの?なんかすごく自然にこの場にいるんだけど・・・」

「はは・・・サボった」

「全くアンタはもー・・・」


久々に四人で笑えた気がする。

窓から見えるオレンジ色の夕日が綺麗。


「じゃ、帰ろうか」

深江がそういうと瑞穂はハッとして顔の前で手を合わせた。


「ゴメン!先に帰ってて!
私愛野先生にお礼言ってくる!
かばってもらったからさ・・・」

「そっか。わかった。じゃあ先に帰ってるね」

「ごめんね!」



瑞穂は鞄を持って外へ飛び出した。



時刻は六時を過ぎている――。

図書部の活動はもう終わり、生徒はいないだろう。

それでも愛野先生は会議室を出る時に図書室の様子を見に行くと言っていたのでまだ間に合うはず――。



瑞穂はもう恐れることのない廊下をパタパタと駆けていった。