言われて有明も考えをめぐらせる。


(そういえば俺も料金は毎月割引内におさまってた・・・)


肩を落とす有明に追い討ちのように瑞穂は続ける。


「そもそも家も同じマンション内ですし毎日学校でも顔合わせてますし、今までにも長電話なんて片手で数えられるくらいしかしたことないですよね。
まあ、少し遠くに住んでるとかだったらわかるんですけど・・・逆に高くなっちゃいますよ」


「・・・・・・そうだね」



ペラペラと話す瑞穂に、しゅんと背中を丸めた有明はカタログを放り投げソファーに寝転がり不貞寝する。

その背中を見て瑞穂はフゥ、とひとつ息を吐いて緩む頬を両手で押さえた。








(もぉぉお~~~~!!!
 先生ってば急に何言い出すかと思ったらなんで恥ずかしげもなくあんなこと言っちゃうかなぁあーーー!!??
 いつでも電話できるだなんて、せ、先生と二人だけの携帯持つだなんて何ソレ?!甘ッ!甘すぎ!!
何平気で糖尿になりそうなこと言っちゃってんのー?!
 全然照れずにそういうこと言われたら私が照れるタイミング逃しちゃうじゃん!!内心激照れなのに!!
 今このジタバタしたい気持ちをどうしろと?!ねえどうしろと?!不貞寝したいのは私の方ですぅぅうーーー!!!)



キャーーーー!!!っと声にならない声で瑞穂はこぶしを握ってブルブルと震えもだえた。










瑞穂の照れ隠しはたまに大変わかりづらい。