「晴子、今日一緒に帰らない?」

「あ、ゴメーン!今日は国見さんと会う約束なんだ」


部活のない日、瑞穂はいそいそと帰る支度をして教室を飛び出した。


「相変わらずねェ・・・。
瑞穂の付き合ってる人って女の人だっけ、布津」

「ちげぇよ!」






瑞穂は走りながら時計を確認する。


(4時にいつもの店で待ち合わせだから・・・まだ大丈夫!)


そう思いながらも国見に会える嬉しさで急いでグラウンドを突っ切り、校門を出た時だった。



「やほーー!瑞穂チャン!迎えに来ちゃったー!」

「ブーーーッ!!」


ひょっこり顔を出す国見に瑞穂は思わずまわりを見回した。


人はそう多くはないが帰宅途中の生徒がチラチラと見ている。


(ぎゃー!目立ってる!)


瑞穂は急いで国見の手を引き学校から離れた。





「ゼー・・・ハー・・・
こ・・・ここまで来れば・・・」

「ハー・・・ハー・・・
もーッ、何なのよ瑞穂ちゃーん!
せっかく向かえに行ったのにぃ!
それでついでに有明でもからかっていこうと思ってたのにぃ!」

「ちょっ・・・それがダメなんですー!!」



いつもの喫茶店に着いて適当に注文し終わるとようやく二人は落ち着いた。


「有明から聞いたわよーォ。大変だったみたいじゃない」

「き、聞いておきながら学校に来たんですか・・・!!」

「馬鹿ね!聞いたからこそ行ったのよ!」

「余計駄目!」